大判例

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東京高等裁判所 昭和56年(ネ)1862号 判決

一般に第一審判決が所有権確認の対象物の不特定など訴訟要件の欠缺を理由に訴を不適法として却下した場合に、原告が控訴審において、請求を特定するに足る事項を補充するなど訴訟要件の欠缺を補正したときは、第一審判決は違法として取消を免れず、控訴裁判所は事件を第一審裁判所に差戻さなければならないと解されるところ、本件において、控訴人は、当審第二回口頭弁論期日において従前の所有権確認請求(公図上の畦畔の所有権確認請求)と交換的に別紙地積測量図によって具体化された本件畦畔の所有権確認請求をなす旨陳述し、これにより確認請求の対象たる土地の範囲は、主張としては一応特定されたものと認められる。右陳述は訴の交換的変更としてなされたものであり、従前の請求が(その適否は別として)公図上の畦畔を所有権確認の対象とするのに対し、右陳述にかかる請求は具体的特定的な土地部分を所有権の対象とするものであるから、形式的にはこれを訴の変更として取扱うことができるが、実質的に考察すれば、従前の請求において対象物が不特定であったのを補充したものであり、補充の方法として訴の変更という形式を用いたものとみるべきであり、当該陳述の結果、対象物の範囲が特定された以上、先に説示したところと同様に、訴訟要件を欠くとして本訴を却下した原判決は不相当というべきである(なお、控訴人が原審において提出した公図表示訂正請求は当審において取下げられた。)。

(蕪山 安國 塩谷)

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